楽しむためのスノクエ式

2022-23

目指すスタイル

「スキーを通して雪と自然を遊びつくそう!」私たちの基本姿勢は自然があってその存在を愛でながらスキーを楽しむこと。自然を遊ぶ基礎知識とスキル、経験を少しづつ増やし自分スタイルで楽しもう。

 以下、私たちのレッスンの流れと経験してきたスキー感覚を紹介します。

レッスンの流れ

 レッスンはテーマをもって展開します。多くはスキーの基本を確認し実践へつなげる流れ。スキーの基本とはスキーを操るためのスキー運動のサイクル。一人ひとりにアドバイスしながら進みます。

 菅平ではビデオ撮影とミーティングをします。雪上でのアドバイスと重ねて解説します。自分の滑りのイメージと映像がマッチしたらいいですね。ご希望の方にはコピーも行なっています。

 スキー運動がカラダに入ったら、ちょっくら雪を斜面を食らってみます。経験は血となり肉となりスキー運動を引き出す。自分のペースやスタイルを見つけていきましょう。

 スキーは自然を愛でたくなる場面に出会ったり、さまざまな発見があります。スノクエの経験をフル活用しみなさまにも助けていただいてミラクルなスキーができますよう盛り上げます。

雪とスキーのエネルギー

 スキーは雪の抵抗するエネルギーでターンを楽しむ道具のひとつ。この雪のエネルギーをもらえるよう私たちはスキーに乗り込んでいく。「落下」と「重力」、「スキーコントロール」などの運動をスキーに働きかける。

 これらのスキー運動は雪質や斜面、天候にそれぞれバッチリ合う時があればそうでない時もある。色んなシーンを幅広く楽しむためにスキー運動の引き出しはいくつか知っていたい。

 今滑り出した斜面でどのスキー運動が合うのか?必要か?自然は同じシチュエーションが2度とないのだからチャレンジして経験を重ねる。雪と、スキーと対話して運動感覚がハマったら最高に気持ちいいぞぉ!

「落下」スムーズな重心移動

 斜面の下へ向かってカラダを移動する(以下、重心移動)ことは雪の抵抗を作るために大切な要素。重心移動が少ないとなかなか滑り降りれないしスキーが止まってしまうことも。エネルギーがなければ他のスキー運動もしにくくなるからスムーズな重心移動をしていきたい。特にターンとターンをつなげていくところは雪の抵抗を受けすぎて重心が止まりがちになる。スムーズに重心移動していくには雪の抵抗を重心を進める、送り出す方向へ変換するバランスとスキー運動が必要になる。

「重力」重さを乗せる荷重

 カラダ、背負ったザックなどの重さkgをスキーに乗せること(以下、荷重)。荷重によりエネルギーは生まれる。ターン外側のスキー、外スキーに荷重することは安定したバランスがキープしやすい。もちろん内スキーにも荷重することで両スキーのバランスが取れてさらに安定するでしょう。

「スキーコントロール」積極的なスキー操作

スキーコントロールとは積極的に雪の抵抗エネルギーを強めるスキー操作。代表的な操作は加圧する、回旋する、角付けである。

 加圧はスキーを押すこと。押すことでスキーの弾性(たわみ)を活かすことができる。脚を曲げたり伸ばしたりして力を加減する。重力がかかりにくいターン序盤、中盤は脚を伸ばし力を加え、重力が強くなるターン終盤は脚を曲げる、曲げられるように力を受け止めることが多い。

 回旋はスキーを回すこと。雪の抵抗が少ない、それ以上に小さいターンをしたい時などにプラス回転を加えることでエネルギーを得ることができる。シーンで言えば、斜面が狭くターンを調整したい、リズムよく小回りするショートターンやコブ、オフピステ。太腿からひねる、内旋外旋する動作。

 角付けはスキーを傾けること。雪面にスキーを傾けエッジや滑走面をグリップさせることで大きな抵抗を作ることができる。整地のカービングターンはもちろん、急斜面、アイスバーン、クラストなど雪が不安定なシーンで抵抗を瞬時に作りたい時にも役立つ。脚をターン内側に傾け重心をターン内側へ移動しスキーを傾ける。

…エネルギーを調整する運動

 一方で、エネルギーを強めるばかりでは雪や斜面のランダムな変化に対応できない。エネルギーをやわらかく調整しターンコントロールしたい。前述の積極的なスキー運動を加減すれば良いわけなのだが、ターンの方向を決める・変える・ズラす、雪面コンタクトを調整するなどの操作もできた方が一味も二味も対応力は高まるだろう。ターンする以外の何気ないシーン、準備体操で、ゲレンデ移動で、リフトの乗り降りで、斜面で止まって方向転換するなど…いつも行う動作は軽んずべからず。ヒントがいっぱい詰まってる。

「スキー運動」エネルギーのタイミング

 ターン序盤、中盤、終盤のどのタイミングでスキー運動を強めるのか。雪の抵抗をカラダの後ろ、横、前のどこで受けるかでエネルギーの方向と量の大↔︎小が変わりターンの表現は違ってくる。具体的にはエネルギーをターン序盤に強く終盤は弱める、ターン序盤は弱く終盤にかけて強めるような、ターンを浅くも深くもできたり、スピードに乗ったりゆっくりにしたりすることができる。タイミングをシチュエーションに合わせて雪と戯れよう。